「いいなあ、好きなひとが俺のことを好きって......」(シロツメクサの恋人)
「おまえの望みだったら、なんだって俺の望みだよ」(吠える冬吾にけしかける)
「一日デートしたくらいでそんなこと言うな。こんな日が当たり前になるくらい、俺がもっと、生きててよかったって思わせてやるから。もっと、たくさん」(旅をする冬吾の新しい同居人)
「これからはきっと、俺があんたを守るから。期待していいよ」(桜降る春の冬吾の卒業式)
「えっとだから、......プロポーズみたいな。女みたいなプレゼントで、嫌だったらごめんな。つけなくてもいいし、あれだったら、受け取らなくてもいいから」(夜に漂うふたりのやさしい誕生日)
「大好きだよ、修二さん。こうやってそばにいられるのが、俺は一番幸せだ」(ふたりの浅い夏の夜)
初詣、遅く帰ってきた夜、水族館に動物園デート、誕生日に卒業式……。社会派ヒューマン・ボーイズラブ「兎を見て冬吾を放つ」で付き合い出した十六歳差のふたりの、本編終了直後から十一年後までの、穏やかで幸せな日々を描いた番外短編集。