新書版/118ページ/後書き付
※表紙イラスト・装丁:汐月羽琉(著者)
<収録作>
1. 涙色、散る
2. 空色カナタ
3. 雨色の恋歌
※それぞれ相互に少しずつ関わりがありますが、ひとつひとつの作品は独立しております。
※表題作についてはnoteにて全文公開中
https://note.mu/halcyon11/n/na38fc3094143
<概要>
「この気持ちに名前が付けられるのならば、誰か教えてほしい」
閉鎖的な田舎育ちの咲月(さつき)は、人とはほんの少し違う見た目を興味本位にからかわれた経験から、周囲と距離を置く生活を送っていた。
とある夏の日、田舎に病気療養に訪れたという美祢(みね)と名乗る少女と出会って関わるうち、初めて人との関わり合いの中で安らぎを得る。
しかし美祢には、咲月には語られない何らかの事情があり……。
(『涙色、散る』)
「届かないのに手を伸ばし続けた先には、いつも何があったのか」
テレパシーという特殊な能力を持つ桂弥(けいや)。
生来の臆病な気質もあり、人の悪意や打算ばかりを覗く生活の中でノイローゼとなりかけ、親戚のいる田舎へ静養に訪れる。
そこで出会ったのは、「サチ」と名乗る陽に透ける幽霊だった。
生身の少年が、幽霊の少女との交流の中で得た、ひとつの答え。
(『空色カナタ』)
「求めたって、求めたって、決して叶うはずがない」
生まれつき病弱な美祢(みね)には、健康で優秀な姉がいた。
姉はいつでも美祢のしたかったこと、やりたかったことを易々とこなしていく。
それに複雑な感情を抱く日々を送っていた美祢は、雨の日に傘を貸してくれた見ず知らずの男性に、初めての恋をする。
密やかに想い続けていたある日、姉がその想い人を家に連れてきた。
近々結婚するつもりでいる、婚約者だと紹介して。
(『雨色の恋歌』)
『思春期』『曖昧な関係性』をテーマにした、表題作『涙色、散る』を含めた三篇のオムニバス。
ひとつ、ふたつ、みっつ。涙が染みを作る――みっつの涙色。