カバー・帯付き/解説付き/購入者様限定無配本(コピー本)付き
何気ない、しかしもう二度と取り戻すことができない、人の心、感情の明滅を切り出す四つの短編を収録した作品集。
<収録作品概要>
1.『君に手向ける花はもう決まってる』
「わたしはいつだって二人の幸せそうな後ろ姿を眺めてばかりいた」
常に三人一緒だった幼なじみたちの関係性は、時を経るごとに変化していく。
日常の断片の先にあるのは、ほんの少しの胸の痛み。
※同タイトルにてWeb公開中。
https://ncode.syosetu.com/n6518du/ 2.『黒と蒼の正体』
付き合って二年。一緒に暮らし始めてからは半年。
可能な限りご飯は一緒に食べて、じゃれ合いのような話をして、順風満帆のはずなのに、何かが足りない。
恋人との関係性に悩む〈私〉の前に現れたのは。
3.『雪消雨に恋う』
大学を卒業し、久々に地元に帰省した〈みちる〉は、美しい歌声と、西洋のお伽話に出てきそうな可愛らしい見た目をした〈コノハ〉と名乗る少年と出会う。
忘れていた何かは、とても得がたいものだったはずなのに。
4.『霜夜の紅』
散歩と称して当てもなく歩き回るうち、ネオンの街へと足を踏み入れていた〈僕〉。
そこで遭遇した〈スミ〉という女給に興味を持つも、彼にはその興味の正体が分からない。
橙や赤、青に染まる街の中、〈スミ〉との交わりから〈僕〉が悟ったもの。