ぼくたちの産んだ卵が孵って一年半ぶりにかわいい詩集を作りました。
うまれてきたものたちの巣
少しだけかなしげな詩を11編収録しています。
収録詩の中から一つだけサンプルとして置いておきます。
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大都市近郊の虹
コンコースのパノラマ窓に群がる人々は
一様にスマートフォンを掲げた
とりどりの電子機器に収められた「それ」は
吸い尽くされて、色褪せてしまっても
依然として夕弧を象ったまま、そこにあった
「わたし。
ついさっきまで
その虹の根元にいたんだよ」
遠景に臨める大都市のビル群は
重たい鈍色に抱かれて
そのくせして
潤む夕映えに愛されて
カレイドスコープから零れ出たような
彩色の顔、はじけた
きらびやかに、けざやかに
落陽を従えた誰かさん
なにも知らない、ひたぶるに無垢なあの子の
純白の顔を照らし出すのはやめて
雨上がりの大気がたっぷりと真紅の水を孕んでいるせいで
そのせいで
透き通った雫が頬を濡らしてしまったから
色彩を欠いた梁をいくら延ばそうとも、空は
がらがら、がらがらと音を立てて
崩れ落ちていったね
みて。
誰からも取られることのなかった手が
燃え立つシフォンの宙を掻いて
裂け目から覗く、縹渺とした眼底に
入っていった、一切の光のつぶつぶ。
----------------------------------------------------------他にも詩集、短歌集等ありますのでそちらもよろしくお願いします。
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