・四号バンガロー
“私”はある旅の夜、久しぶりに探偵作家になった――。
清流のほとりで出会った不思議な少女。
昔、親友が解決したという、とある事件のお話。
女王蜂
“女王蜂を殺した者共
その毒で報いを受けよ”
文芸部員たちに届いたのは、部長の自殺を報復する犯行予告であった。文芸部員、吉田春香は各人の行動に注意を払うが……。
邪教
「下から順に膝部に掌紋が右三点左二点、その他指紋が全指合わせて十二点。大腿部の側面に掌紋が四対と指紋十九点、裏側に二対と指紋七点、主に拇指です。腰部および拘束された腕部上を周回するように掌紋が七対と指紋二十八点。胸部に掌紋が右六点、左八点と指紋が四十二点。肩部に掌紋が二対。以上です」
それは、今まで彼女が経験したことのない、殺人事件であった。
一〇七号室
「いろんな嫌なことを経験したおかげでいろんなことを想像しちゃうし、それが正しいこともある。ねぇ、探偵って好き?」
一つの殺人未遂事件をめぐる、紗綾と少女のお話。