※本書は長編小説「遺書を書くには最高の日」の第二章を抜粋したものです。森屋の死を知ってから一週間。海は家業の仕事に忙殺されていた。
クレーマーおばさん。そりの合わない父親。いつの間にか目減りしていた己の可能性。将来の不安を、気の置けない常連客との息抜きで紛らわす。なにかを置き去りにした。そんな想いを引きずって、海の毎日は過ぎていく。
そんな海の心の支えが、メカニック兼監督としてレースに参加することだった。
レースが終わり、疲れ切った海の前に現れたのは、友人のレーサー月足晶。森屋のことをそれとなく訊くが、彼の口が出た言葉は、海の思いもよらないことで――。
夢を追う苦しさと喜び、そして精一杯生きる意味を問う、切なく熱い青春ストーリー、第二章。
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