いつか、すべての食卓に終わりがくる。
短歌と詩と手紙の72ページ。誰にも本当のことは届かなくていい。わたしたち、同じものを揃えて向き合って座ってもどんなに丁寧にあつらえた料理でも、それぞれの口で食事をするしかない孤独に似た喜びがあるから。だから生きよう。生きて、食べて、伝えて時々抱き合って。食卓の最後は永遠みたいな気持ちでミントを噛もう。
譲られた寝床についたゴジラたちやさしく起こす声になりたい
真夜中のキッチンで煮る烏龍の烏の部分に春うらら
風吹いて言葉をなくしたとしてもいつもと同じごはん食べよう
B6版 72ページ
文章・中村雪生
表紙絵・海老沢竜