ジュリーというニックネームで知られる歌手・沢田研二は、ある年代以上の日本人ならまず知らない人はいないだろうという国民的スターです。私も、子供のころはファンというほどではありませんでしたが、シングルで発売されてテレビで歌っていた曲は、聴けば「あ、これ知ってる!」と、ほとんどの曲を即座に口ずさめるほど記憶に刻まれています。
そんなふうに、子供のころから無意識レベルで焼き付けられていたジュリーのシングル曲の数々ですが、思えば、ジュリーがソロデビューしてからテレビに出まくってヒット曲を連発していた1971年から1985年ごろまでの約15年間というのは、私が9歳から23歳ぐらい。自分自身が「女」を自覚し(させられ)、「女」であることで様々な問題に直面してきた時期とほぼ重なります。そして、ジュリーの当時のシングル曲は、ほとんどがラブソング。当然、歌詞の中には「君」「あなた」「おまえ」という、おそらく「女」であろう相手が出てきます。歌は世につれ世は歌につれ(古い)ですから、その間の世間の変化、主に女性に対する考え方の変化は、私がリアルタイムで経験してきたことにも連動するし、その当時の世間が考えていた女性像みたいなものをジュリーのシングル曲をネタにして掘り下げてみたらおもしろいんじゃないかと思い付きました。(「はじめに」より)
本書は、ブログ【本を買ってください】の「ジュリーの曲で考える昭和女性幻想」カテゴリに書いた記事をまとめ、加筆修正したものです。
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