はじめに
ここに収められた作品は、「合唱曲」へのオマージュである。あるいは、「合唱曲」の二次創作である。四つの「合唱曲」によって喚起されたイメージを、演奏ではなく物語のかたちへまとめあげたものである。
このようなかたちをとった理由は、私が物語というかたちへも(・)親しんでいたことがひとつ、どのようなきっかけであれ「合唱曲」あるいは合唱というものに興味をもつ人を増やしたいという思いがあったことがもうひとつである。
各作品の冒頭に、オマージュ元の「合唱曲」の紹介を掲載した。物語とあわせてお読みいただき、「合唱曲」の世界の探訪の一助としていただければ、幸いである。