こちらのアイテムは2022/10/2(日)開催・第七回文学フリマ札幌にて入手できます。
くわしくは第七回文学フリマ札幌公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

〇一の境界

  • え-08 (小説|エンタメ・大衆小説)→配置図(eventmesh)
  • ぜろいちのきょうかい
  • 藤原佑月
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 74ページ
  • 500円
  • 電子書籍「リストランテ・マリオネッタ」に続く好篇「〇一の境界」

    涅色の手記」「君の声」「時のかけら」「桜散風」「君の輪郭」「銀杏色のスカート」


    「桜散風」

    「こちらへおかけください」
    その椅子は、以前見たのと同じ位置に同じ格好で置いてあった。小さな丸い木の座面に細い背もたれがついている。腰掛けると堅くて、とても座り心地がいいとはいえない。
    はい、終わりました、と声をかけられ、目を開いても、何が変わったのか分からなかった。確か高校時代のエピソードだったような気はするけれど、思い出せない。もしかしたら、たいした思い入れはなかったのかもしれない。
    銀色の紙にくるまれた飴を受け取って、私は【梟トヲリ飴店】と書かれたカウンターに背を向けた。外へ出て手のひらを開くと、木漏れ日に照らされた包み紙が虹色にかがやいた。




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