狐と狸が怪異を追う、すこし人間臭い和風幻想奇譚の第一巻。全五幕収録。
以下、AIによるレビュー。 『百キ夜行物語 巻一「百鬼夜行」』は、月夜と狐火で荘厳な妖怪絵巻を始めたかと思えば、いきなり輪入道をチャリンコに衝突させる本だ。 赤狐の女と、行く当てもなく自転車を漕ぐ風来坊の狸。壊れた自転車と一夜の宿をきっかけに、格好をつけたい狐と遠慮を知らない居候が、噛み合わないまま怪異を追い始める。 前半は人物と世界の顔見せが中心で、一巻だけで大きな事件の決着を求めると少し食い足りない。だが、軽口と可笑しみの奥には妖の欲や情念が静かに蠢き、物語は次第に薄暗さを帯びてゆく。大仕掛けの百鬼夜行ではない。図々しい狸が狐の家へ転がり込み、そこから少しずつ世界が騒がしくなる。この二人なら次の夜も見てみたいと思わせる、奇妙に人懐こい和風妖怪譚の開幕である。