「どうか、ソーシャルワーカーとして在れますように」
祈りは患者のためか、自身のためか。
医療ソーシャルワーカーの芦谷悠太は「追い出し屋」と揶揄されながら、患者とその家族の希望に寄り添う。
その夜、ふたりの男に「もって数日」と余命が言い渡された。
1人は勤務先の患者、1人は自身の父親。
在宅での看取りを望む末期がん患者、医療費の支払いに困窮する独居患者。様々なケースに向き合う中で、自身もまた、アルコール依存症の父親の死に直面していた。
ゆるしたくて、ゆるせなくて、それでも誰かの傍らに在ろうとする。
医療現場の第一線で働くソーシャルワーカーの職業矜持と、ゆるしとは何かを探る静謐な祈りの物語。