塞ノ神を守る武家の水央(みお)と、この地の豊穣神の常盤(ときわ)。この世に憂いを抱く二人が出会う、この地で生きる人たちの物語です。
今回は白花神社を舞台にした短編小説になります。さらりと読める短編2篇を収録。長編「水のゆくえ」と世界観は繋がっていますが、単品でもお楽しみいただけます。
鶯神楽
花が咲き初める頃、都に突然雪が降り出して、春の花がみんな蕾を閉ざしてしまう。春が訪れなくなった矢先、神社で花を摘む何者かの存在を巫女に教えられ、水央は花摘みを捕まえると約束してしまうのだが……。水央、常盤、五十鈴の三人は花摘みを捕まえ、古清水に春をもたらすことができるのか。
満天星
常盤の三女若菜は、今日も笹舟を作って川に流す。笹舟作りは、幼い頃に死んでしまった母との大切な思い出だった。思い出に浸り寂しさを紛らせる若菜の、家族と母を想うお話。