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  • H-05〜06 (小説|その他)
  • あんたいとるど に
  • 中山史花
  • 書籍|B6
  • 118ページ
  • 150円
  • 2017/1/22(日)発行
  • 20編の詩と2編の掌編・短編小説を冊子にしました。
    つたない言葉のよせあつめかもしれませんが、このよせあつめに自分なりの好意を詰めてみたつもりでいます。

       ◎

      呼吸をみだした
      浅はかなやさしさで、なぶられたかった
      春をだきしめたい
      そうやって弱く笑うのが、あなたの癖みたいなものだった
      いつまでも閉ざしたままの
      受信ボックス、ことばは溢れて
      なんの形にさえ
      ならないまま、呼ばれた名前をなぞっていた
                   (詩「春をはみだす」より)

       ◎

    ○「帰り」
     ――外を見ながら、自分は今ひどい顔をしていると晴は思う。駐車場に煙草の吸い殻が落ちていて、火がちゃんと消えていないのか、先がオレンジ色の灯りを帯びている。あまり身を乗り出すとサイドミラーに自分の髪が映ることに気づいて、晴は少し身体を引いた。

    ○「引き出し」
     ――たんすのいちばん下の引き出しを引っぱり出して、和人は舌打ちした。しわくちゃの衣類や空き箱、インクの切れたペン、包装紙、空のペットボトル、壊れた靴、無数にあるレシートの束。引き出しいっぱいに、ただのごみでしかなさそうな物がこれでもかというくらい詰めこまれている。手に取ってみるとどれもこれも埃っぽく、和人はその手触りに顔をしかめた。
    (2016年、第33回織田作之助青春賞の最終候補に残していただいたものです。)

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