こちらのアイテムは2026/1/18(日)開催・文学フリマ京都10にて入手できます。
くわしくは文学フリマ京都10公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

ショート・ホープに火をつけて

  • 1F 第二展示場 | D-17 (小説|エンタメ・大衆小説)
  • しょーと・ほーぷにひをつけて
  • 惣山沙樹
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 360ページ
  • 1,000円
  • 2025/12/24(水)発行
  • 気になっていた女の子とセックスできた夜。突然の来訪者。そこから始まる奇妙な三角関係。彼らの間に渦巻くものは何か。そして意外な共通点とは。大学生たちの複雑な関係性を描いた現代ドラマ。

    冒頭抜粋

     前から綺麗な女の子だと思っていた。

     ショートの黒髪に、くりっとした二重の目、細い顎。身長は百五十センチそこそこ。いつも黒っぽい服装で、スカートを履いているところは見たことが無い。ピアスがいくつもあいていて、ハイライトというタバコを吸っている。

     それが彼女だった。

     俺は大学二年生の冬、学内の喫煙所で、思い切って彼女に話しかけてみた。

    「ねえ、ここでよく会うよね。学部は?」

     彼女はタバコの煙を吐き終えた後、ぼそっと言った。

    「文」

    「そっか。文学部か。俺は商学部」

    「ふーん」

     まるで興味なさげな返答に、俺はしまったなぁと思っていたのだが、それからは意外と話に乗ってくれた。彼女は言った。

    「そのタバコ、カッコいいよね」

    「うん。これに似合うオッサンになりたくて吸ってる」

    「きっとなれるよ。君さ、名前は?」

     彼女の方から聞いてくれるとは。俺はにやけながら言った。

    「荒牧(あらまき)純(じゅん)。ジュンは純粋の純」

    「ふぅん、純粋そうには見えないけど」

    「よく言われる」

    「あたしは荻野(おぎの)楓(かえで)」

     カエデ、という名前の響きは、クールな彼女によく似合うと思った。この機を逃してはなるまい、と俺は思い切って切り出した。

    「連絡先、交換しない?」

    「いいけど」

ログインしませんか?

「気になる!」ボタンをクリックすると気になる出店者を記録できます。
「気になる!」ボタンを使えるようにするにはログインしてください。