五芒星によく似た島の、真ん中にある【日ノ元市(ひのもとし)】。そこで貸本屋の若旦那として生まれ、日々店の手伝いに励む綴葉(つづは)には、誰も知らない不思議な友がいる。
名を「撫子(なでしこ)さん」。薄桃色の撫子の絵が描かれた、人語を解す"栞"である。
読書好きな「撫子さん」と本の感想を話したり、懐に忍ばせて共に出かけたりと、穏やかな毎日を満喫する綴葉であったが、ふとしたことで「撫子さん」の正体が気にかかるように。
「撫子さん」には内緒で、正体を探るべく調べを進める綴葉であったが、その果てに辿り着いたのは、とある苦悩と哀しい心であった……。
黄昏時は、逢魔が時。人と魔が入り混じる、時代劇"風"ファンタジー。