こちらのアイテムは2018/1/21(日)開催・第二回文学フリマ京都にて入手できます。
くわしくは第二回文学フリマ京都公式Webサイトをご覧ください。(入場無料!)

いつかの水晶山

  • い-21 (小説|純文学)
  • いつかのすいしょうやま
  • にゃんしー
  • 書籍|その他
  • 600円
  • 伝染病蔓延防止の点を鑑みて、今回の文学フリマ大阪でのすべての商品はwebショップで扱います。


    https://f27.base.ec/

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    「雨が降ったあとは、崖が滑りやすくなっちょるけえ、気いつけえ」
     K君がそう言う。

    K君だったかな。もう名前も忘れてしまったな。
    それはすごく昔のことなんだ。
    K君に先導されて、水晶山へ登った。
    山口県防府市で過ごした子ども時代、京都市の大学に進学し、就職して尼崎に引っ越したあと「うたって、おどって、へんなかお」なパフォーマンスをしてきた。

    「ダメじゃ。死んじょる」
     K君がそう言う。
     水晶は本来、透明なものだけれど、
     この山で見つかる水晶は大抵、
     白い繊維のようなものが中に走っていて
     あまり綺麗ではない。
     そういった水晶のことを、K君は「死んでる」と表現した。

    むらたくんのこと、なかむらくんのこと、きのしたくんのこと、しまくんのこと、かとうくんのこと。

    「空は青くなかった」あの町のこと。

    いつかの、「水晶山」みたいな詩はもう書けない。
    だってぼくは強くなってしまった。
    強くなったということは、強くなれないということだ。
    もう変われないということだ。
    ぼくはここにいて、ここ以外のどこにもいけない。


    『キャンディと王様』以来、白昼社×にゃんしーが実現したのは、
    ノスタルジスタ溢れるエッセイ集。写真も多く収録。お楽しみください。


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