『唐揚げを食べるために閉鎖病棟に入ったわけじゃない』
「閉鎖病棟」と聞くと、どんな場所を思い浮かべますか。
この本は、精神科の閉鎖病棟で過ごした約30日間を、その日の終わりに書き続けた日記です。
病棟でいちばんの楽しみは、ごはんでした。唐揚げに大喜びしたり、揚げ物だけ自分の食事から消えて落ち込んだり。映画を観たり、本を読んだり、病院食について本気で考えたり。夜中の静かな廊下を歩き、眠れない夜を過ごし、少しずつ病棟での日常が生活になっていきます。
その一方で、家族との関係、「普通になりたい」という焦り、自分の人生を自分で選ぶことの難しさにも向き合い続けました。
これは、精神疾患について説明する本ではありません。
誰かを「病気」として描く本でもありません。
食べて、眠って、笑って、泣いて、創作をして、また明日を迎える。一人の人間の暮らしを、そのまま綴った30日間の記録です。
読んだあと、閉鎖病棟という場所の見え方が、ほんの少し変わるかもしれません。