じょぼじょぼじょぼじょぼ
朝、この俺が一人でコーヒーを淹れていた。この家をゆっくり見渡す。本当にいなくなっているんだなと思った、愛しき、俺の家族が。思考がグルグル回る、責任転換のメリーゴーランド。なぜ逃げた。なぜ俺を裏切った。
「アーーー、腹立つ。」とっさに出た言葉だ。名誉もあるし金もある。こんな俺の家族で幸せだろが、ボケ。そこら辺にあった無抵抗な空き缶を蹴った。
「これからぁ、あいつらに、なんか金も払わなくちゃいけねぇんだろ。怠いって。」
「もーーー、あいつらこの後の事、覚悟は出来てんだろうな。」
もう本当にしょうがない。なにもかもぶん殴ってやりたい。頭をかいて、白い粉が舞うとき、景色が真っ白になってやっと冷静になった。
風が吹いているわけでもないが、背中を押されるよう家を出た。そして、家の近くに公園があることを初めて知った。
「案外、俺何にもしてなかったな。家事とか育児とか。」俺だって検察官で言葉に出来ないほど、忙しかったし・・・。点字ブロックに沿うよう、レールに従って進んだ。何も考えたくないから。
変なところに着いた。ここはなんだ。
(看板)メモリーボート
(メモリーボートより)
今地球は一人です。
人口は十億人以上ですが。
誰も人と交われず単色な気がします。
東京。
それは静寂。
でもまだ分かり合えるって信じてる人がいる。
地球はまだ捨てたもんじゃない、と。
そういうひとはみんな煙たがられている。
私は、別にそういう人がいてもいいと思うけどな。
明日、私は彼と漂流する。火星へ。
彼はいつも楽な道を教えてくれる。地球より。
(火星人より)