タイトルで誤解させてしまったならすみません。本作はポルノ小説ではありませんし、まして愛がどうこうといったものでもありません。救済の物語です。
ヒロイン・冷莉(ひやり)は愛を与える存在ではありません。主人公・颯音(はやと)に生じた揺らぎは、未知の感情への恐れでしかありません。
拙く、醜く、けれど誠実な彼らの「独りよがりの愛」を、どうかご覧ください。
【冒頭試し読み】
愛される準備はできていた。愛する度胸も無い癖にして。
貧乏人が散財の妄想ばかり逞しくするようなものだ。札片を無造作に扱う場面だなんて思い描けない程度の身状にして、やれワンフロアぶち抜きのデザイナーズマンションだ、何年もののヴィンテージワインだと、精一杯のデイドリームで自身を慰める。空想が豊かだろうとヴァージンたることに変わりが無い。これを、知ろうと童貞と呼ぶ。行動の伴わぬ知識に価値は無い。
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