タメンタイギャラリー鶴見町ラボをオープンしてから、早いものでもうすぐ2年となる。この記録集も第3号を発行するに至った。本号では、2023年の年初から9月までに開催した6つの企画の記録をまとめている。展示のタイミングの都合だが、過去の号よりも会期から間を開けないうちに刊行できた。
この記録集は企画のアーカイブであると同時に、幅広い読者のもとにリーチするために、いくつかの新たな試みを行っている。まず、各展示に筆者と異なる立場からのテキストや挿絵のページを添えた。筆者も引き続き収録するすべての展示にテキストを寄せているが、複数の視点があることでより立体的に企画を振り返ることができるだろう。拙文も、作品と最も長い時間を過ごす鑑賞者としての立場を忘れず、展示空間で起こったことの描写を厚くするよう心がけた。そして、日本語と英語のバイリンガル化した。よって、前号までと比べ大幅にページ数が増えている。執筆、編集、デザイン、翻訳までひとりでこなす限界は感じているが、セルフビルドのアーカイブは締切を作らないとなかなか進まない。きっと今後の展開のための飛び道具になるはずだと気合で制作している。
この小冊子制作は、美術の多面的価値における「点」や「線」を紹介しようと始めたものだ。活動を積み重ねることで、点の密度が少しは高まり、線の色も濃くなっただろうか。実際、各展示について執筆していると「タメンタイらしさ」はより強固なものとなってきたのを感じる。そしてそれは、筆者のこれまでのとっちらかったキャリアの伏線を少しずつ回収するもののように思えてきた。そこで、とても長い自己紹介のテキストも収録した。
この空間のポテンシャルと、筆者のこれまでの経験の掛け合わせによって、固有の価値が生まれていくプロセスを、アーティストや鑑賞者、そして読者各位と共有できることを嬉しく思う。
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