テンセン タメンタイギャラリー鶴見町ラボ記録集 vol.2
- う-35 (評論・研究|美術)
- てんせん ためんたいぎゃらりーつるみちょうらぼきろくしゅう vol.2
- 山本 功(編)
- 書籍|A5
- 90ページ
- 1,500円
- https://tamentai.co.jp/2023/0…
- 2023/4/29(土)発行
目次
- はじめに
- 安月給(自然派) 「秘密の花園」
- 篠藤碧空 秘密の花園には苦瓜が生る
- 山本功 安月給の特権
- column 01 タメンタイらしさの芽生え
- 浅岡知里・篠藤碧空 「ことのは、つむぎ」
- ことのは、つむぎ」について振り返る座談会
- 山本功 可能性のつむぎ方
- 平井亨季・吉田真也 「歩行の筆跡( ディスクール)」
- 山本功 夏の広島に眠れるコンテクストを歩き起こす
- column 02 地方でアートと関わるときのローカリティについて
- 中川晶子 「よすがのありか」
- 山本功 想像の共同体がよりどころとするものについて
- 川島桃香 「わたしは、海に、還った。」
- 山本功 空間への感受性を露呈させる
- MUN 「Go to MUN」
- 山本功 「密」の場が否定し、肯定するもの
- 土井紀子 版画展 「merry-go-round」
- 田中智美 見えるものと映るものの存在(影)のゆくえについて
- 山本功 土井紀子の絵画と版画──刹那的な実在をどうにか画面に定着させる試み
- 石谷治寛 ヒロシマの地に天翔ける馬の影
- column 03 価値創造とマネタイズ
「はじめに」
2021年の年末にオープンしたタメンタイギャラリー鶴見町ラボは、このほど1周年を迎えたところだ。立ち上げと最初の半年間の記録を紹介した初号に引き続いて、2022年6月から12月に開催した7つの展示企画の記録を中心にまとめたのが本冊である。オープン当初の企画よりも多少の余裕を持って準備を進められるようになり、少しずつ運営も軌道に乗っていこうかという期間にあたる。同時に、当初思い描いていたところから、現実に即して軌道修正を図っていった部分もある。
初号は手探りで刊行したものだったが、充分に手応えも感じられるものとなった。会期中の来場者以外にも展示を紹介することができるというのみならず、それぞれの作品が問うたものはなんだったのかと振り返りの機会になっていることの代えがたい価値に気付かされている。本号では、収録するすべての展示に筆者のテキストを寄せた。会場の運営側の立場であると同時に、最も長い時間作品とともに時間を過ごす鑑賞者としての立場からご紹介している。
展示を重ねていくなかで、少しずつ「タメンタイらしさ」のようなものが立ち現れてきたように思う。展示として発表されるに至るまでに捨象された「点」や「線」もあわせて紹介しようと始めたこの小冊子制作だが、企画ごとの連関も補助線として顕在化してきたのではないだろうか。
断片的な積み重ねが、いずれ価値の総体を大きくしていく──そんな美術の価値創造の過程に立ち会うことは特権的なものではなく、もう少し開かれたものであっても良いはずだという思いはそのままに、大胆な活動を地道に続けていきたい次第だ。読者にはぜひとも引き続き見守っていただけると幸甚だ。
