肩を故障し時間を持て余す、将来有望だった野球部員・斎藤太輔。
行き場をなくした彼は教室へ向かい、そこでクラスメイトの長谷部駿に出会う。
どうやら彼は奇術部らしく、何かマジックを見せてくれと気軽な気持ちで斎藤は頼む。
長谷部はマジックを見せた後、不思議な話を斎藤にする。
マジシャンは一度だけ、タネも仕掛けもない本物のマジックが使えるのだと。
クラスメイトの堂島に叶わぬ恋心を抱いている合唱部の吉澤。
ふとしたきっかけで堂島と交流を持つようになるのだが……。
思春期の恋の痛みを克明に描いた作品。
一緒に世界と戦った存在を自殺で失い、日々漫然と生きる青年は、バイト先で彼と同じ名前の大学生に出会う。
青年は彼を遠ざけようとするが、大学生は青年に何か思うところがあるようで……?
2024/03/10 J.garden55にて発行。