溶鉱炉第7号 作品紹介(小説6篇、エッセイ6篇)
義経友紀「淡い間に」
身体に多くの〝決まり〟を持つ佐奈子。佐奈子の決まりを守るため、日々奮闘する昭芳と大市。女一人に男二人。奇妙な共同生活を送る中、医者は次々と〝決まり〟を増やしてゆく。やがて三人の関係に微妙な変化が訪れていく……。演劇の脚本調で進む男女の不思議な物語。
近藤太「七月の雨があがれば」
中年男近藤の怪しい転職シリーズ第四弾。今回近藤は芸能プロダクションでのアイドル動画制作の仕事を友人に紹介される。しかし職場へ行ってみると、話と違う仕事をやらされる羽目に……。次々と襲い掛かる災難を近藤は乗り切ることができるのか。
矢森順子「ある一日」
地方の工場で事務員として働く、ある女の子の平凡な一日。特別な出来事が起こるわけではないのだが、上司とのやりとり、家族とのやりとりに彼女の可愛らしさが垣間見えて、どこかほっと微笑ましくなる作品。
廣田かおる「湿った部屋」
仕事に家事に育児に追われ、気がつくと四十歳になっていたバツイチのゆかり。〝オンナ〟であることを諦めかけていたが、あるときSNSを介して学生時代に付き合っていた男と会う約束をしてしまい……。妙齢女性の揺れる心を丁寧に描いた大人の恋愛小説。
吉山行男「simple A-plan」
ヒット作を世に送り出し、成功を収めたあるゲーム制作会社のお話。ベンチャーならではのトラブルや団結力を、当事者たちの〝証言〟という形で振り返る。連載作品第一話。
泊貴洋「真っ白い雪の下に眠るものを」
バブル期にはリゾート客で溢れ返っていたが、今は過疎となってしまった街「越後湯川」。湯川町役場の観光振興課で働く白木さん。町の現状を打破するために東京のコミュニティデザイナーに相談に行くのだが……。
中野亮「連続〝岐路〟エッセイ5編、長崎エッセイ1編」
溶鉱炉編集長の中野が〝岐路〟を中心に自身の半生を振り返る自伝的エッセイ。「出・ナガサキ(長崎編)」「演劇廃人(北九州編)」「上京物語(東京編・上)」「音楽の力(東京編・下)」「西の果てにあった閉塞感(ふたたび長崎編)」の五編を収録。ほか巻末に長崎エッセイ「祈りの長崎」。
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