ソウルの熱、東京の雨 —クィアアート、ゲイタウンの歴史、プライドパレード
- 南3-4ホール | そ-48 (ノンフィクション|エッセイ・随筆・体験記)
- そうるのねつ とうきょうのあめ
- 小沼理
- 書籍|B6
- 1,650円
- 2026/11/8(日)発行
- 文筆家・小沼理のソウル滞在記ZINE第3弾。韓国初の大規模なクィア・アート展「Spectrosynthesis Seoul」、ゲイタウン鍾路のヒストリーツアー、そして2都市のプライドパレードを通して考えた、ソウルと東京のゲイ/クィアのこと。前作同様、日韓2言語を収録。
【目次】
・はじめに ソウルと東京 ・自分で中心を定める Spectrosynthesis Seoul ・ずっと一緒に闘ってきましたよね 鍾路クィアヒストリーツアー ・Tokyo (Rainy) Pride ・화이팅 ソウル・クィア・パレード2026
「はじめに ソウルと東京」
2026年の6月もソウルへ行った。パレードを歩くのは四回目で、その経験をZINEにするのは三冊目になる。 今年はパレードの他にも行きたいところがあった。一つが、アジア各地で開催されている大規模なクィア・アート展の韓国版『Spectrosynthesis Seoul』。もう一つが、ゲイタウン鍾路をめぐるクィア・ヒストリー・ツアーだ。アート、街の歴史、パレード。三つの異なる角度から、韓国のクィアの過去と現在を知るソウル滞在になりそうだと思っていた。 韓国のクィアが放つ熱に触れながら、私は自然と日本や東京のことを考えた。ソウルでの経験が東京の記憶を新しい角度から照らした。同時に、東京での経験がソウルで出合った光景に立ち止まらせたこともあった。思考は常に行ったり来たりしていた。 文章の面白いところは、行き来する頭の中を書き連ねていけることだ。だからこれはプライドマンスのソウルの旅行記ではあるけれど、ソウルだけでなく東京のクィアの歴史やカルチャーのことも混ざったものになっている。特にパレードに関しては、ソウルへ行く一週間前にTokyo Pride 2026のパレードを歩いたので、その体験を一つのエッセイとして書いた。 私と同じように、東京とソウル(あるいはもっと広く「日本と韓国」、あるいはもっと狭く「新宿二丁目と鍾路」)を行き来しながら、お互いについて考えたことがある人は多いんじゃないだろうか? 両方の都市や国をまだ訪れたことはなくても、ドラマやSNSで知った情報をもとに想像したことがある人もいると思う。そうやって自分の暮らしている場所と見比べて、憧れたり、応援したり、励まされたりしている。 たくさんの人のそういう思考が、私たちの上空を24時間365日行き交っている。私が書いた文章も、2つの地点を結ぶ飛行機雲の一筋なのだと思う。
