――六十一歳、新しい上司は土方歳三でした――
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会議のたびに反対しては若手に笑われ、社内で「メモリ増設おじさん」と呼ばれた製品セキュリティ担当、戸田修。会社が用意した継続雇用は倉庫の在庫管理で、彼はそれを自ら断って会社を去った。
それから一年。古巣の元部下から「戻ってきてもらえませんか」と電話がかかってきたその時、戸田は横須賀の海の渦に呑まれ、気がつけば明治二年、嵐の中を宮古湾へ向かう旧幕府の軍艦・回天の石炭庫にいた。
暴走する蒸気機関を工場仕込みの指差し確認で立て直したものの、背中のスカジャンの「YOKOSUKA」のせいで新政府の間者と疑われてしまう。「縛れ」と命じたのは、写真より顔のいい男――土方歳三だった。
待ち受けるのは、新政府の最新鋭艦「甲鉄」を奪う奇襲作戦。
負けると決まっている戦の行方を、
知識と腰痛を抱えた六十一歳は変えられるのか。
序 章 メモリ増設おじさん
第一話 嵐の転移
第二話 山田湾の軍議と高雄の一夜
第三話 宮古湾海戦
第四話 箱館の日々
第五話 二股口
第六話 終わりの支度
第七話 死んでみるか
第八話 箱館湾海戦
第九話 浜の朝
終 章 北へ
資 料 蝦夷共和国の礎
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頒布価格 1,200円(税込)
文学フリマ東京43 ブース J-71「吉田梅之助」