『 精神の狩猟 』より、
長詩・精神の狩猟を抜粋し、
単体の作品として楽しめる形にしました。
どうぞご一読ください。
砂漠が海を侵食(おか)していく
死が生を侵食していく
夢が存在を侵食していく
私は思わずにはいられない。これほども拡げた腕、これほども豊かな胸の上に残っているのは、そして、これからも残るであろうものは、いつでも、私の愛してきたものではないということの不思議を。それがなぜかということではなく、縁というものについて。
——来る日も来る日も、私はあなたの頭上に王冠を飾り、みとれていたものだった。
あなたという海に、太陽は昇り、沈んだ。
雨上がりの屋上で、夕陽の海で、私は何度も別れを告げてきた。あなたと、あなたの後ろに輝く翼に。また、いつか出会うことが判り切っていても。
あの日、雷雨の街で、私があなたに渡してしまったのは、手頃な幸福の請求権だったと私は気付いていなかったか。
あれは、略奪のための放棄だった。