ピアノ講師、元音大生、現役音大生の三人のピアノ関係者が主人公のオムニバス短編集。
何者でもない〝私〟と、他でもない〝あなた〟の織り成す三つの作品を収録。
三作それぞれに現れるベートーヴェンの音楽、そして『私の愛したカンパネラ』や『雨だれは夜明けまで』の登場人物たちの再登場もお楽しみに。
▼収録作『元天才ピアニストの弟子』元天才ピアニストと持て囃され、今は某楽器店附属の音楽教室でピアノ講師をする風香。
同僚の紹介で、とある有名ピアニストのレッスン生を引き継いでほしいと頼まれる。
そのレッスン生というのは、将来を期待されている小学生の少女だった。
『そして、誰が為に弾く』病院で働く実花は、音大を卒業してすぐに医療の道へシフトチェンジした音大卒業生である。
ある日、実花の働く病院へ入院してきたのは、女子バレー日本代表であり、中学の同級生である奈子だった。
将来の夢を語り合った同級生との再会に、実花は複雑な気持ちになり……。
『運命の鳴る方へ』現役音大生の藍理は、学内の成績もコンクール成績もいまいち振るわない。
同門の先輩には国内外を問わず活躍する者が多く、焦りを感じていた。
そんな藍理を見た友人に、とあるミュージカルの観劇に誘われる。
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