目の前がキラキラで溢れる。
水の中は差し込む日差しをいつでも乱反射していて、まるで万華鏡のような波の紋様をプールの底へ映していた。
ここはいつだって私の落ち着く場所だ。浮力と重力の間で押し返される、あの感覚がいつだって私を非日常に連れ込んでくれる。宇宙遊泳もこんな感じなのかなと、よく思っていた
私の肺からあぶくが吐き出され、そのあぶくが差し込む光をさらに屈折させては光をポンポンと弾く。そんな風にぼーっと沈んでいると、いつの間にか私の中から空気は無くなる。慌てて水面へと浮き上がって一気に空気を吸い込むと、まず塩素の香りが鼻腔を突く。そして口から吸い込んだ酸素が身体の先までいっぱいに染み渡っていき、自分は今生きていると実感する。
まるで今までの私が全て抜けきって、新しく入れ替わる。それは改めて生まれてきたような。そんな一瞬が好きだった。とっても、好きだった。
少女の青春の終わりを綴った掌編。