19世紀末、中国の港町で誘拐された少女ダイユー。『紅楼夢』の悲劇のヒロイン林黛玉にちなんで名付けられた彼女は、石炭桶に詰められてアメリカへ渡り、サンフランシスコの娼館に売られる。機転を利かせて脱出し、アイダホで中華系の食料品店に職を見つけたものの、やがてアジア人排斥の気運が高まり、町の人々は暴徒化してゆく……。素朴な文体と詩情が融合したモノローグで語られる悲劇の歴史フィクション。
装幀:佐野裕哉装画:植田陽貴「光について」(2021)
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