万城目学氏(作家)推薦!
「はじめて私たちの前に現れるモンゴル現代文学。はじめての手触り。はじめての語り。しかも、ミステリー。どこへ連れて行かれるのか。固唾を呑んで楽しもう。」
現代モンゴルの長編小説が日本初上陸。仏教僧院で起きた不可解な銃撃死事件。警察犬トレーナーのセルジャムツは、故人の親友サマンダと出会い、事件の謎を追う。やがて死の謎は禁忌とされる忿怒尊《シュグデン》の信仰が関わっていたことが徐々に明らかになる……。現代モンゴルを代表する人気作家による、分断された民族の歴史の記憶とアイデンティティを問いなおす壮大な物語。
「国境を越えて広がる多様な「モンゴル世界」を舞台に、シャマニズム、チベット仏教、英雄叙事詩、伝統医療といったモチーフを織り込み、モンゴル人が辿ってきた歴史をベースとした一連の長編小説群を発表した。現地取材や綿密な調査を重ねて書いたというこの連作は、大国のなかで少数者として生きるモンゴル人の運命、言語・伝統文化・信仰にまつわる問題を正面から取り上げつつ、現代に生きるモンゴル人のアイデンティティや精神のありかについて問いかける意欲作であった。本書『シュグデン』は、その流れのなかに位置づけられる重要な作品である。」(「訳者あとがき」より)
装幀:佐野裕哉
装画:佐伯洋江 Untitled (HS264), 2019.