序
本書は新潮社版『正宗白鳥全集』の収録作品総索引である。新潮社版『正宗白鳥全集』(編集・中島河太郎、監修・河上徹太郎、小林秀雄、中村光夫、山本健吉)は、一九六五年から一九六八年にかけて全十三巻が刊行された。本書にはその全収録作品の掲載巻数と頁数を示した索引のほか、簡素な内容ではあるが各巻の概要(月報の目次含む)を掲載した。
新潮社版全集の編纂においては、正宗白鳥の膨大な文業を限られた巻数に収める必要性から苦心が重ねられたようで、その都合もあってか総索引が存在しない。ならば作ってみよう、というのが平たく言えばこの総索引の制作動機である。
お断りしておかねばならないが、本書の編者は文学研究の知識を持たないずぶの素人である。本書に記載した情報は先人たちの仕事に全面的に依っている。編集にあたっては間違いのないよう注意したつもりだが、素人が一人で進めた作業のことだから、手抜かりはあるものと思われる。本書に存在する誤りについての責任は本書の編者が負うものである。
正宗白鳥の全集としては、のちに福武書店から刊行された全三十巻のものが存在する。白鳥の文業をほぼ網羅しているほか、索引を完備し資料類も充実している。新潮社版の編集者である中島河太郎が再び編集に携わっていることからも、こちらの方が「決定版」であると言えるかもしれない。熱心な読者はこちらの全集を読んでいるであろうし、(私は学問の方面に詳しくないが)資料的価値が高いのも福武書店版となるのであろう。
しかしながら、一般読者の視点で言えば、福武書店版と比べて分量の上でも古書価の上でも揃えやすい新潮社版は独自の価値を有するはずである。そして全集はやはり索引を備えている方が使いよい。そういう意味で、新潮社版全集の総索引が私以外の読者にとって全く価値を持たないということはない、と信ずるのである。
編者
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