空虚な希望を拒みつつ絶望にも溺れなかった文学者、正宗白鳥。その文章を今、読んでみませんか。
本書は、小説家、劇作家、評論家であった正宗白鳥(まさむね・はくちょう、1879–1962)の随筆的文章を「随想」として集めた一冊です。
作家としては自然主義文学の代表と目され、評論家としては鋭い批評眼と舌鋒を誇った白鳥は、優れた随筆の書き手でもありました。
「ニヒリスト」と称されるほどの醒めた筆致の裏には、ままならない人生をひたむきに見つめ続けた真摯な文学者の姿があります。
冷徹な観察眼の中に一抹の苦いユーモアが光る名文を文庫サイズでどうぞ。
編集について
本書の底本には新潮社版『正宗白鳥全集』を用い、表記を新字新仮名に改めました。例外として、旧仮名にも触れてみてほしいという編者の個人的な思いから、名作「今年の秋」を旧仮名づかいで掲載しました。
収録作品:あの夜の感想/泉のほとり/思い出/散歩の途上/虚名/食後の一睡/騙されて中禅寺へ上るの記/桑港より/独り合点/雑感集/泉鏡花/死んだ人々/炉辺雑感/冥途通信/批評難/世渡り上手/奇蹟と常識/花より団子/目がさめたよう/今年の秋〔旧仮名づかい〕
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