・「ロミさんの舌鼓」
水曜だけ現れる“幻の店”に導くロミさん。彼女の舌が味わうのは料理か、それとも――。愛と食欲が絡み合う、日常に潜む不穏な恋の物語。
・「+00―3636―0243」
病弱だった私は、元カレが捌いた“ワニ”を食べてから変わった。事故でも死なない身体、消えない未練。サメの肉がくれたのは、強さか、呪いか。
・「メモリーノイズ」
父の危篤をきっかけに、主人公は封じた記憶と向き合う。母を欲した願い、父を罰した祈り――下水道の暗がりで、家族の喪失と再生が蠢き出す。
・「永遠のキサ」
・「青魔女ヶ丘」
青魔女ヶ丘に咲く青い花。手を離した瞬間止まった時間の中で、友情は“魔法”の向こうへ消えていく。
・「服獣譚」
兄弟殺しで王を目指す少年は、瀕死の末に森へ捨てられる。敵国の少年ペチカと生き延びる中で芽生える絆。しかし再会は裏切りと罠へ——獣皮に魂を喰われ、王となる運命の果てに残るものは何か。
・「海兎使」
故郷の葬送で、ミルは月へ帰る貝「ウノツカイ」の伝説を知る。嵐の夜、ウミツカイは自らの貝殻を探して月へ帰っていく。死者の魂も連れて。
・「メランコリー・サイボーグ」
サイボーグ・ノウは、自身の“異常行動”の謎を追う。辿り着いたのは、消された最初の記憶と一人の女性。快楽と奉仕の果てに隠された真実とは——愛と欠損が暴かれるSF心理劇。
・「架空葛」
インフラ崩壊後の世界、電線に魅せられた「私」は、事故死したはずの詠み手@makomoの言葉を追う。やがて浮かび上がるのは、電線と“接続”された愛の痕跡——消えゆく空の線に、彼女は何を見るのか。
・「二つ名の昔話」
謎のおばあちゃんが遺した砂入りの瓶。中から現れた一枚の写真が、母の家族の秘密と、海辺に消えた恋を呼び覚ます。少女は謎の名前を探す、夏の遺言の物語。
・「ユメウラ」
婚約者の実家に伝わる「夢解き」。雪深い元日、背中に刻まれた一文字が、僕の未来を勝手に象りはじめる。
・「奪文字」
結婚を機に名前を変えた女は、言葉の誤りと“動く文字”に侵食されていく。やがて現実すら書き換わり、身体と存在は異形へ——日常が崩れる違和と恐怖を描く、静かな侵食ホラー。