住み慣れた部屋を出て、新しい部屋でひとり暮らしを始めるまでの短歌集。
自分がいた痕跡を、少しずつ消していくような時間を詠みました。
新しい生活のはじまりにいる人へ。
これから始まる人へ。
かつてそうだった人へ。
▼収録短歌
古ぼけた柱に貼ったシールたちぼくより長く生きるのだろう
ゴミ箱に投げ込むようなさよならもきみは笑って受け止めていた
百均のスノードームにも雪が降り世界はなんとなく美しい
わけもなく捨てられずいるクレヨンのももいろだけが縮こまってる
クッキーの缶には釦を詰めていてたからばこだと笑ったあなた