客のいない夜の喫茶店で、千鳥瑚斗は鉛筆を走らせる。 その隣で、稲辺瀬南はただ黙って絵を眺めていた。
人の願いに作用する力〈心響〉を持つ瑚斗と、 まだ「やりたいこと」を見つけられずにいる瀬南。
姉との過去、家族との距離、身体に刻まれた習慣。 何気ない会話の中で、二人は少しずつ互いを知っていく。
これは事件の裏側でも、奇跡の瞬間でもない。
相棒になる前の、静かで確かな夜の記録。
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