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メイドになる少女のためのハンドブック

  • 南1-2ホール | U-23 (評論・研究|文化研究)
  • めいどになるしょうじょのためのはんどぶっく
  • 久我真樹
  • 書籍|A5
  • 182ページ
  • 1,000円
  • https://note.com/kuga_spqr/n/…
  • 2022/12/31(土)発行
  • 本書概要

     本書は、19世紀に刊行された3冊のメイドに関するマニュアル・ガイド本を翻訳・掲載しています。「メイドになる少女のため」に書かれた本が2冊、雇用主となる人たち向けに弁護士が書いた、雇用関係に関わる法律の助言をする本が1冊です。

      この3冊を端的に言えば、次のような紹介となります。

     「メイドマナー指導本」 「メイドの業務マニュアル本」 「女主人向け法律ガイド」

      なぜ「メイドになる少女のために」マニュアルがあったのか、何を伝えたいのでしょうか?

      まず、前提として、メイドのなり手になる少女の属する労働者階級の生活様式と、勤め先となる中流階級の生活様式は、物質面でも大きく異なりました。

      メイドの職場には、出身家庭にはない家具、道具、調理器具、食器、衣服などがあり、出される料理も食事の手順もより複雑になりました。多くの道具にはそれぞれ素材に適したクリーニングをしなければなりません。

      物質的な差異だけではなく、階級差がある主人たちと接する際には、気をつけなければならない独自の礼儀作法も存在しました。

      「良い職場で働く」には職務経験が必要です。しかし、誰もが最初は職務経験を持ちません。そこで事前に訓練をすることで、より良い職場で働く機会を得る確率も高まります。

     少女がメイドになるための訓練を学校や救貧院でしてくれることもありました。しかし、勤め先の家庭によって環境も水準も異なるので、十分ではありません。そうした隙間を埋めるために、このような本が出版なされたのでしょうし、初めてメイドを雇う女主人が、何をメイドに要求していいのかを知る側面もあったと思います。

     一般的に、メイドとして就職するルートには、近所の家庭で通いの手伝いをしたり、安価なメイドを育てる前提で受け入れる慈善家や牧師といった家庭を最初の勤め先として訓練を受けたり、訓練してくれる使用人がいる大きな屋敷の下働きから始めたりと、OJTが主流でした。

     こうして少しずつ勤務経験を重ね、より生活環境が優れた勤め先で求められる知識を段階的に積み上げていくことで、かつては勤めに出られなかったような屋敷で働くことも可能になっていきます。


    ◯第1章:翻訳『使用人の振る舞いの書 小さな家政の女性使用人のためのマナーと服装のヒント集』
    ◯第2章:『家事の手引き または若い少女が使用人になるためのガイド』
    ◯第3章:『家事使用人、その主人および女主人の権利、義務および関係』

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