目次
◆ はじめに ……3
◆ 時は流れる ……5
◆ ディスコミュニケーション ……13
◆ 呪いと幻想 ……21
◆ 不協和音 ……29
◆ 世界は私の外にある ……35
◆ 不条理の淵 ……41
◆ 暴力と死の香り ……49
◆ 言葉でつかむ ……55
◆ 食べること、生きること ……63
◆ 都会の片隅で ……71
◆ 労働讃歌 ……77
◆ 終わりに ……85
◆はじめに
短歌を作り始めたのは一九九九年後半であったと思う。その頃、私はM2の大学院生で修士論文の作成と四月から入社する書店でのインターン研修で気持ちが張り詰め、いっぱいいっぱいになっていた。特にインターン研修の日々があまりにきつくて、肉体的、精神的に徹底的に打ちのめされていた。
それまでも虚無の渦に勝手に沈み込んで何もないのに一人で苦しむようなことはあったのだが、インターン研修は違った。現実世界でどうにも逃げようもなく嫌な目と痛みに会う、仕事を上手く出来ない自分に向き合うという解像度がまるで異なる事態に陥っていた。曖昧模糊な絶望ではなく、厳然たる敵が形をもって襲い掛かってきた。
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