以下本文より抜粋
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あらすじを確認した僕は千駄ヶ谷へ。国立能楽堂は満員だ。今日は中国古典に基づくラブストーリーにインスパイアされた金春禅竹作の能、その名もずばり、楊貴妃だ。
開始0分
笛が鳴り照明が暗くなる。
02分
囃子方、地謡方登場。
04分
作り物(大道具)の搬入。四方を骨組みに囲まれ布掛けしてある簡易の試着室か。仮にフィッティングルームと呼んでおこう。毎度ながら設置を今やるのかい、と突っ込みたくなるのが能スタイル。
06分
時間をかけて舞台が整い、笛が鳴る。「ヨー、ホー、オー」の掛け声。鼓の高音の抜けが今ひとつ飛び抜けてない。抑え気味のスタートか。
09分
方士入場。さっそくのセリフが「これはの玄宗皇帝の使いで」云々と一体誰が誰に向かって喋っているのだ?という自分自身による状況説明。いきなり、「自分が唐土の誰それです」と独り言を言っている様は不思議だ。唐土の人、自分で唐土のとか言わなそうだし。
もちろんこれも能の発話スタイルだが、能を見慣れていない身としては面食らう。また、楊貴妃を探しに来たことも語られる。「容色無双」というパワーワードが耳に残る。蓬莱宮は海を越えたどこかにあるらしく、島をわたってはるばる来た様が独白として語られる。