ヴィル・デール・ロペ・ソーポス・ヤマトの五人は、白い部屋の壁を壊して外の世界を知るための一歩を踏み出した。
そこで彼らが目にしたものは、終わりの見えない螺旋階段。誰ともなく足を止め、ただならぬ深淵を睨みつけた。けれど、彼らは暗闇に向かって足を踏み出す。
彼らの瞳は前だけを見つめていた。この世界の真実を暴き、自由を掴みとるために。
(──彼らは知らない。前だけを見つめていても見えないものがあるということを)
突然現れた扉から少年が顔を出した。ブルジュと名乗る少年は、五人を歓迎する。
「いいなあ、ひとりぼっちじゃないなんて羨ましいです」
屈託なく笑うブルジュ。しかし、その瞳は長い前髪に隠されていた。警戒心を高める者もいるなか、ロペは彼に対して情愛深い言葉を投げかける……。
ブルジュとの出会いが五人にもたらすものは果たして、なんなのか。
ついに始まる彼らの生きた証(ものがたり)、第一章。
(──ああ、そうだ。こんなお話をご存知ですか?
開けてはいけないと言われた扉を開けてしまう……“青ひげ”というお話を)