それで時には 美しい言葉も音にならない (原告過失)
夏の暮れ 夕日は生きる意味を 問いかけるような遅さで沈む
この長い一本道に並んだ街灯が 時間切れだと言うように 一斉に点る(街灯)
Ⅱ「生きなおす」
傷つくために 生まれてこなけりゃ 蛹になったり するだろか(蝶になったら)
とんとん相撲の力士のように しょうもない神様に操られ 僕は命の縁に立っていた
このあべこべな重量感を どうしてくれよう(生きなおす)
Ⅲ「都市の果実」
初恋の人は 雪を被った日本橋(初恋)
あったかい家庭は黄いろ 渇いた家庭は青
でも最低な家庭もまた黄いろ と呟きながら歩いていた(ベイタウンのうた)
Ⅳ「血が流れているだけ」
ひとつ巡れば ふたり並んで ふたつ夜想の ひとり酒
言葉はいらない はずもなく 気付かないふりを伝え合うのが 慎ましやかな合言葉(綻び)
木星ほどに確かな心があると信じる
赤や黄に眩しい憂鬱があるとも思う(血が流れているだけ)