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雨の下の僕ときみ—再録集—

  • 南3-4ホール | い-34 (小説|ファンタジー・幻想文学)
  • あめのしたのぼくときみさいろくしゅう
  • 青川有子
  • 書籍|文庫判(A6)
  • 164ページ
  • 1,000円
  • 2020/5/20(水)発行


  • 以前発行していたコピー誌のうち、舞台設定【現代】のもの4編を再録しました。
    作品解説を世津路章さんにお願いしています。
    カバーイラストはSさんにお願いしています。

    僕とQ

     アレな自意識とマシンガントークが標準装備な「僕」と、高校時代からの想い人Qのお話。(2013年11月4日)

    「わたしが、お前とつきあいたいと思うのは、わたしがお前を好きだからだよ」
     殴られたようだった。僕は自分の耳に届いた言葉に打ちのめされた。好きだなんて、母親にしか言われたことがないのに。

    Aとわたし

     恋人であるAと温泉旅行へ行く「わたし」のお話。(2014年5月5日)

     思い出したことがあった。ランドセルのことだ。昔からわたしは黒色が好きだった。身につけるものも自然と黒を選ぶことが多かった。だから小学校に上がるとき、買い与えられたランドセルが黒色だったことに文句は言わなかった。それが普通なら男の子のための色だと知っていても、文句は言わなかった。

    「魚」

     引っ込み思案な大学生の主人公と、幼なじみで親友の女の子と、幼なじみの男の子と、そしてたった一人の家族のお話。(2015年5月4日 『Bird & Apple』掲載)

     夕日の差し込む部屋から、ピアノの音と歌声が聞こえた。懐かしいメロディー、懐かしい歌詞、子どもの頃よく聞いた、そしてよく歌ったあの歌。
      ああ、私には、まだこの歌声があったんだ。
     これが私の世界。

    雨の下のきみ

     雨の下、霧の中でだけ出会える不思議な「僕」と、私のお話。(2017年11月23日)

     「僕」は昔から私に優しい言葉をくれる。慰めてくれるし、励ましてくれる。他の誰もが気にかけてくれないような小さなことを、小さなことだからと片づけないで、すくいあげてくれる。さらりと、あっさりと、私のことを助けてくれる。
     「僕」と会って話せるのは、雨の日だけ。雨の日ならばいつでも会えるわけではなくて、会えない日もある。いつ会えるのかはっきりとは分からないけれど、ただ私は「僕」と過ごす不思議な時間が好きだった。

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