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頭の中の穀類

  • 南3-4ホール | い-13 (小説|純文学)
  • あたまのなかのこくるい
  • Pさん
  • 書籍|B6
  • 44ページ
  • 500円
  • 2024/12/1(日)発行
  • 生成りの無垢叢書#0002
    頭の中の穀類、という小説です。
    私は相変わらずあの穀類の積み上がった山の頂のところにいて、もしくはそう錯覚をして、何かを待ちわびていたのだが、何を待ちわびていたのか、その時も今も全く思い出せないという具合で、真価を発揮するミュージシャンだとか、画家だとか、その人に肖像画を描かれたことで真価を発揮し始めた有名な顔面、そういった、いわば結果でしかないあらゆる意識を尻目に、やはり待ちわびることをしていて、解説文を読むとひどく当然の当たり前な常識的なことを書いているから熱望が失望に変わり、アルコールの満たされた温度計も水位が下がるばかりだった。
    それでその、穀類の解説の話だけれども誰がどう書いたというより、どこで、どんな部品を使って書かれたのかという方が重要だと、なかなかの強弁をはかるオミクロン大学の教授という職に就いた、要は凡人なんだけれどもそういう人に近い人がいて、ポロポロとなんでも零すものだから拾う人が必要でそれも五六人では足りないようで、時給何千円かでネットに広告を出してアルバイトを集めていたようだが無駄だったようで、その既に零したものを拾い慣れている精鋭としての五人だか六人だかが互いに自己紹介をする、柱を中心にして全員がなぜか、小さい丸椅子に外向きに座っていて、これが仮に内向きに座っていたとしても全員が大きな柱の表面しか見ることができない計算になる、計算しないでもわかることだが、円周のすぐそばに点を一つ一つ打っていったらやはりわかることだ。
    解説には、大したことは書かれていないようではあるが、それでも、何かを掛けていたということはあるらしく、そんなことを読み取っては次の話題に、というのはもはや全く関係のない別の、たとえば今日のトーストが少し焦げ気味であったとか、昨日は逆に少ししめっている場所があって、それはトースターの内部にあるあの鉄の板、いったいどうしたらあんなところに入り込むのだろうと疑問に思える、ただトースターの内部の銀色とちょうど馴染んでいるものだから、トースターの部品には違いないのだが、そこにあらかじめ入り込んでいる鉄の板だとしたら、どうしたってトーストのある一部が、反射する蒸気にさらされて湿ってしまうだろうという場所に、あるのだった。

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