自分の容姿を醜いと悲観し続ける水谷花実(みずたにはなみ)は、「もしも自分が可愛かったら」という思いで、主人公”花火”として夢想的私小説を書き、同人誌サイトへ投稿している。
その小説の理解者でもあり、花実にとって親友である相田恵(あいだめぐみ)との間には、言葉にはしないものの固い信頼が結ばれていた。花実は自分の容姿を蔑み、怯えながら生きてきて、人と対するのにも臆病になっていたのだが、唯一の存在として恵とはいつも時間を共にできた。
そんな中、花実の前に現れた満島景子(みつしまけいこ)は、誰もが目で追いかけ、憧れるほどの美女であった。景子は花実の小説を敬愛し、あるとき、自らが”花火”になりたいと花実に告げる。
それによって、容姿も人生も対極的な二人が交わり出すわけだが、その間に生じた化学反応から生まれ変わろうとする花実。彼女の運命の所在地とは。
そして、景子の本当の狙いとは一体。
花実の生々しい感情の移り変わりを味わうことができるこの物語。読者はいつの間にか花実と自分とを重ねる部分を、無意味に思い起こしてしまうかもしれない。
肌で感じ取れた本音こそが、人が人を信じる根拠である。
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