終わらぬ不景気、治安の悪化、社会の分断。
高くそびえる漆黒の壁と、混ぜ物くさい安酒の夜。
「世も末、ということらしいんですよ」
久井の語るそんな与太話を肴に飲んで、広尾はその晩も気分良く帰宅した。
しかし思いがけず、極個人的な災難が広尾を襲うのだった……
沈みゆく世界と併走するかのように、
災難に次ぐ災難に喘ぐ広尾はしかし、
終わり続けながらも日常への執着をやめない。
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