かつて、勇者は実在した。
――もちろん大昔の話だ。
ガス灯が道を照らし、機電列車が街を走る現代において、勇者なんて時代錯誤も甚だしい。それが一般的な認識だ。
いまも勇者は生き残っていて、影から密かにこの国を守っている――そんな話を真に受けるやつはどうかしている。
そもそも実在したかどうかも怪しいものだ。学校の歴史の授業で「最後の大戦」について教えるときも、勇者なんて言葉はどこにも出てこない。話題にしてもおとぎ話の一種だ。
勇者は古い時代の迷信か、そうでなければ当時の国家群が仕掛けた情報操作、あるいはプロパガンダ、あるいは後世の創作。みんなはそう信じている。
しかし俺のような人間にとっては、まったくおとぎ話ではない。
勇者は現代も存在する。残念なことに。
少なくとも我らが共和国の内務省の組織図には、公には決して明かされないが、しっかりとそういう役職が刻まれている。
こちらのブースもいかがですか? (β)
あん堂・こまらせクリエイター つんどく 日本大学芸術学部文芸学科望月ゼミ 茅ヶ崎BOYSとPiano:Forte 朱谷 あとりえ えりうげな お台場計算尺 Nebula Front 文人墨客 東京コミュニケーションアート専門学校