初めての一人旅の行き先は高松、大島。人や場所、モノに出会うことで変化する亡くなった兄との関係性を書いたエッセイです。今年も沢山歩きます。
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平成三十一年三月、お兄ちゃんが死んだ。死んだ と書けるようになった、書いても良いと思えるようになったのはここ一ヶ月くらいのことで、それまではその一行で手が止まり、なんと書いたら良いのか、良いのか というのは、兄の尊厳というものに対して私の気持ちが納得する形を成している言葉なのか という自分本位の想像力が基になっていて、もう傷つきたくないと泣き出しそうな防衛心がそうさせている。
一言の重みについて考え出すと、感覚を言葉として体外に発することの慎重さは際限なく広がっていって、その実態のない私の一部をこの胸に手繰り寄せるのに何日も、内容によっては何年もの時間が必要になることを知った。
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本文より