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イケてるプロポーズ全集〜これでだめなら諦めろ〜

  • と-35 (小説|その他)
  • いけてるぷろぽーずぜんしゅう〜これでだめならあきらめろ〜
  • KAPPA AND SAUCER
  • 200円
  • 本日ご紹介させていただく『イケてるプロポーズ全集〜これでだめなら諦めろ〜』はプロポーズビギナーからプロポーズがマンネリ化したプロポーズ中級者や普通のプロポーズには飽きたプロポーズ上級者にまでおすすめできる商品です。
    例えば、シーン【なぜか自動ドアが自分に反応せず開かない場合】今回のイケプロ「私の心の自動ドアのセンサーは君にしか反応しないよ」といったように日常のシーン別にイケてるプロポーズを記載しており、これ一冊でプロポーズに死角なしです!貴方もイケプロでプロポーズマスターになってみませんか?
    イケプロに加えて短編小説のハムスター着ぐるみおじさんとショートコントの総理の退任を推しの引退みたいに言う奴、失恋短歌も収録してます。


    イケプロ本文サンプル

    シーン【エレベーターのドアに挟まれかけたとき】
     今回のイケプロ「もしも君が板挟みの状態で挫けそうになっても、僕は必ず君の味方だよ」
     何を隠そう私は電車のドアに挟まれかけたことがあります。
    模試の会場に行く際に間違った電車に乗っていることに気づき、降りようとした瞬間事件は起きた。
     ドアに挟まれた。 いや、厳密には挟まれかけているのだ。
     乗客は息を呑んで電車のドアサンドの私を見ている。
    『無理なご乗車はおやめください』というアナウンスが聞こえましたが、ドアは閉まろうとして私を離してくれません。
     「まったく束縛の強い子猫ちゃんだぜ……。でもそういうところも可愛いよ」などと心の中で囁きながら、閉まろうとするドアに両腕で抵抗していました。
     電車のドアの熱烈な抱擁に挫けそうになりましたが、諦めたらあっしは圧死するんじゃ?という状態だったので、諦めたら即享年確定の試合の続行決定です。
     人見知りのコミュ障陰キャという生きづらさのロイヤルストレートフラッシュを決めており、恥が常に閉店前の叩き売りワゴンセールな生涯を送ってきたため、体力と腕力と気力が常にサハラ砂漠のように乾いている私ですが、数年分くらいの力を振り絞ってドアをこじ開けて脱出しました。
     会社員の男性が「おぉ……」と感心と安堵が入り交ざった声を漏らしました。
     電車を乗り換えて無事に模試の会場についた私は、こういうときの模試ってすごくいいかすごく悪いかだよなぁと思いましたが、いつも通りの結果でした。
     奴ら――ドアは私達の日常に潜み、人間を挟む機会を窺っています。 決して奴らの横暴に怯えてはいけませんし、屈してもいけません。 逆にイケてるプロポーズに利用してやりましょう。
     もし、あなたが恋人とのデート中にドアに挟まれそうになったら、ドアをこじ開けながらこう言ってください。 「もしも君が板挟みの状態で挫けそうになっても、僕は必ず君の味方だよ」(後略)
    シーン【推しの握手会デートをするとき】 今回のイケプロ「君の握手会は一生私が独占させてもらうよ」
     オタ活中にSNSで出会った人とオフ会で知り合い、お互い好きになって恋人同士になる。 夏場にアスファルトの上で干からびているミミズのミイラくらいよくあることだと言えるでしょう。 オタクカップルですから、推しの握手会にデートで行くなんていう機会もあるかと思われます。
     恋人が「握手会、すごく多くの人がいるね」と言ったならば、貴方は「君の握手会は一生私が独占させてもらうよ」と言って恋人と握手しましょう。
     このとき、生半可な握手ではいけません。 こんなふにゃふにゃした握手をしてくる人とずっと一緒にいる約束ができるだろうか、と貴方の恋人は不安になってしまうかもしれないからです。 あるいは、こんな痛いだけの強引な握手をしてくるような人とは共に人生を歩めないからと別れ話になってしまう可能性もあります。
     まず、貴方がすべきことは握手の素振りをこなすことです。 手の模型を買いましょう。名前をつけてあげてもいいですね。(後略)

    ハムスター着ぐるみおじさん本文サンプル

    ハムスターの着ぐるみを纏い、木の棒をくわえた壮年の男が這い出してきて、その全貌が露わになった 顔以外の部分が着ぐるみで覆われていて体型は分からない。
     牧草に塗れた顔の中で目だけが妙に爛々と強い光を放っている。 悲しきモンスターがそこに存在していた。
     これがマッドサイエンティストの実験の結果なら、この世とお別れさせてあげた方が本人も楽になるのではないだろうか。
     着ぐるみおじさんが口を開き、木の棒が牧草の上に落ちる。
     「きゅーっ、きゅきゅきゅうっ」
     汚い高音の奇声が聞こえた。 半径数メートル分の不快を凝縮したような声だった。
     「クスリでもやってるんですかね?」
     思わず正直な感想が零れた。
     「脳内麻薬は合法だから大丈夫ですよ」

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