目次
・ まえがき
・ 銀テープが発射され、倉子からの祝電が届いた大倉担の結婚式で、ライブ配信をした話
・ アイドル雑誌パロディで、友人夫婦のデビュー記念号を作る
・ 関ジャニ∞のおたく、怪盗キッドに閉じ込められる
・ 児童養護施設に漫画とブルーレイを寄付してみた
・ これがほんまの初心LOVEや! ~なにわ男子 POPMALL 新潟公演~
・ 友人はアイドル現場へ、私は犯行現場へ ~新潟遠征2日目~
・ 3年ぶりの海外一人旅 〜韓国旅行1日目〜
・ NCT127ミリしら女、限定ストアでおたくと交渉を試みる 〜韓国旅行2日目〜
・ RTAサムギョプサル 〜韓国旅行最終日〜
・ 文学フリマ福岡にかこつけて博多を満喫した週末
・ 初めてスクリーンで『世紀末の魔術師』を見たあと、怪盗キッドに会う
・ そのほか、この半年間にしたこと
・ 観た映像作品
・ 読んだ本
・ あとがき
★ ---------- 試し読み ---------- ★
『銀テープが発射され、倉子からの祝電が届いた大倉担の結婚式で、ライブ配信をした話』
インターネットフレンドの結婚式に招待された。
彼女の名はせせりさん。ツイッターにて関ジャニ∞繋がりで知り合った友人の一人だ。
愉快で明るくてかわいらしく、肝が据わっており、旅行とおいしいものと酒が好きな大倉担。
もともと結婚の話は聞いていた。名古屋で行われる関ジャニ∞のコンサート『8BEAT』に向かう新幹線の中、「これ食べてみたかってん」と551蓬莱のでっかい弁当を広げるせせりさんから、ご報告を受けたことをよく覚えている。
そんな彼女の結婚式が大阪で行われることになり、私はある計画を胸に当日を心待ちにしていた(その計画については次の章に書く)。
ところが当日朝、トラブル発生。
「華さん、タブレットを持っていたら貸してもらえませんか?」
同じく式に参列する友人・Tさんから届いたLINEで目が覚めた。
朝8時。寝ぼけた頭で文面を読み込むと、前日の大雨の影響で新幹線が止まってしまい、東京から参列する方々が来られないとのこと。そのためタブレットを使ってZOOM配信をしようという案が出たらしい。
幸い、私はiPadを2台持っている。そして前職でZOOM配信(オンライン授業)をした経験もあった。
気分は、映画やアニメで「ここはアタシに任せな!」とピンチに躍り出てくる手練れのババアである。
飛び起きてミーティングURLを設定。2台のiPadで配信できるように複数アカウントを開設。来られない人に共有するための文面を作って友人と新婦に送信。
新婦からすぐに「これってアーカイブ残る?」と配信ライブ慣れしたおたくならではの要望が出てきて笑った。
「録画したいけど、さすがに人の結婚式で勝手に録画するのもなぁ……」と躊躇していた私は、主催者からの要望に大喜びでOK。2~3時間の録画を保存するならパソコンも必要だ。ノートパソコンも持って行くか。
合間にすっぴんでヘアセットに駆け込んで、いったん帰宅して化粧を済ませ、充電満タンのノートパソコン1台とタブレット2台を抱え、タクシーで式場へ。
到着してすぐ、Wifiのパスを教えてもらってロビーの椅子でパソコンを開いてZOOMを設定していたら、到着した友人から「こんなところで仕事してる社畜かと思った」と言われたが、ひとまず無事にミーティングは開始できた。
結局、最初に聞いていた関ジャニ∞繋がりの友人に留まらず、いろんな人が配信を視聴することになった。
大阪に向かいながら見ているグループ、出産直後の病院から見ている新婦友人、カラオケで鑑賞会をするグループ、自宅から視聴してくれる人たち。
人生の一大イベントを配信するというプレッシャーが高まる。
アイドルの配信ライブをするスタッフって、世界中の何万人を相手にこんなプレッシャーを抱えてるの? ありがたみが増す。
参列者用の控室からノートパソコンで画面録画をスタートして、タブレットを友人に託す。と思ったら、1台はいつの間にか新婦の同僚男性の手に渡っており、最後まで彼が担当してくれることになった。優しすぎる。
パソコンを開いたまま抱えて、挙式が行われるチャペルへ移動。
前に座ったTさんから「ここ前にも来たことある! 後ろの2階から出てくるねん」と演出のネタバレを食らう。
ネタバレやめてください! 今日初めて見る人のことも考えてください!
彼女が言ったとおり2階から登場した新郎は、まるで松竹座のバルコニー席に現れるアイドルのようだった。
新婦・せせりさんは1階の扉から入場。
まさかインターネットで知り合った友人の結婚式に参列するなんて考えもしなかったので、不思議な気分で見惚れていた。10年もツイッターをしていると色んなことが起こる。
私は新郎とお会いするのはこの時が初めてだったのだけど、彼も愉快で楽しそうな人で、お似合いの二人だなぁと思った。
結婚証明書に二人でサインをしていたが神父さんは登場せず、人の結婚式に参列する機会が少ない私は、こういうスタイルもあるのかと新鮮だった。しかしこれで完成というわけではないらしい。
挙式を終え、別のエリアへ移動。屋根がガラス張りになっているところで新郎新婦の登場を待つ。
扉が開いて登場したのは、水色とピンクのバズーカを構えた二人。
まさか、と期待が膨らむ。
そしてその期待通り二人のバズーカから発射されたのは、コンサート演出のような銀テープだった。
「キャ~~~~ッ!」
テンション最高潮で歓声をあげ、手を伸ばす。
新郎新婦も見たいが、銀テープも取りたい。懸命に取ろうとしたが最後尾にいたため手が届かず、「銀テープください!」と最前列の友人に頼み込んだ。
ちなみにこの瞬間、私は配信のことなどすっかり忘れていた。あとで録画を確認したら、新婦同僚男性がちゃんと配信を続けてくれていたようで、感謝してもしきれない。
銀テには新郎新婦からの手書きメッセージまでプリントされていた。
〈めっちゃ続く〉