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旅順鎮守府

  • 第一展示場 | G-41 (評論・研究|のりもの・交通)
  • りょじゅんちんじゅふ
  • 中国貨車研究会
  • 書籍|A5
  • 400円
  • 2015/11/23(月)発行
  • 創作短篇集の第二弾は、前回とは打って変わってこんなものになりました。(32p) 厳密にいえば「旅順」は「鎮守府」ではなく「要港府」時代が長いのですが。題名にそぐわぬ「艦これ」的ですらない世界観へようこそ。

    「決死の塩輸送」 大戦末期における、命知らずの「海の男」と「軍人」との対立劇。海上封鎖が続いて、原塩が溜まる一方となった復州湾から、急遽軍令を受けて行われるようになった小倉日明港までの原塩輸送を、徴用工とともに完遂することができるか。
    「大凌河に葦を見たか」 ある満鉄職員が、密命を受けて女性部下と共に葦場に視察行に向かったときに、事件は起こった。十数キロ周辺にはなにもない、葦原からの脱出行とその結末。

    (「決死の塩輸送」書き出し)

    満洲の澄み切った空は、肌に差し付ける暑さだ。

    すでに制海権を失いつつある状況下、内地の塩備蓄量は急激に減少の兆しを見せていた。「塩」がなければ生物は生きることができないが、それ以上に「塩」は工業の基礎であることは知られていない。無機化学工業製品の基礎原料であるが、特に「ガラス」は塩なくして作ることはできない。

    ここ「復州湾」にある塩田は内地への「塩」供給地として重要な位置を占めているものの、海路が徹底的に狙い撃ちを食らった現在では、わざわざ普蘭店、安東、京城、釜山経由で運ばなければならず、それでも下関までの海上は常に沈められる危険性を負っての輸送であった。そのような中、気の触れた電文が内地からやってきて目を剥いた。

    「復州湾ノ塩ヲ船舶ニテ日明港マデ運ブベシ」

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